『日本国語大辞典 第2版』における「光緒」に関する記述の誤り

概要
『日本国語大辞典 第2版』と『精選版 日本国語大辞典』では、清朝の元号「光緒」の語釈において、誤って徳宗(光緒帝)を清朝最後の皇帝としている。

「光緒」の語釈

精選版 日本国語大辞典』で中国の清朝の元号「光緒」を引いたところ、以下のように記してあった。

中国、清朝最後の皇帝徳宗の年号。(中略)二千年余りつづいた中国の帝政が終わった年代。

『精選版 日本国語大辞典』の「光緒」の項

しかし、清の徳宗、すなわち光緒帝は、清朝最後の皇帝ではない。光緒帝が崩御したのち、宣統帝(溥儀)が即位している。この宣統帝こそが清朝最後の皇帝である。(例えば、『ラストエンペラーと近代中国』p.163 などを参照。)

精選版 日本国語大辞典』の元となった『日本国語大辞典 第2版』にも同じ語釈が書かれており、この記述の誤りが『日本国語大辞典 第2版』からのものであることが知れる。なお、『精選版 日本国語大辞典』にも『日本国語大辞典 第2版』にも「宣統」という項目はない。ただし、「宣統帝」という項目はあって、そこには清朝最後の皇帝であるとされている。

光緒帝
光緒帝 [1]
脚注
  1. Wikimedia Commonsのパブリックドメイン画像を利用。 []