1世紀の4等分
はじめに
2026年の年頭に、21世紀の4分の1がすでに終わっていたことにふと気づいた。1世紀は100年だから、25年がその4分の1だ。2001年からの25年が終わったので、21世紀の最初の四半世紀が終わったということだ。
しかし、本当に4分の1なのだろうか? 100年を4で割れば25年だが、1年の長さは年によって異なる。閏年であれば平年より1日長い。ということは、25年に含まれる閏年の回数によって、25年の長さも変わってくるはずだ。
日単位で4等分する
現在広く用いているグレゴリオ暦では、例外を除いて「西暦が4の倍数の年は閏年」という原則がある。
21世紀を25年ずつに区切ったとき、4の倍数で割り切れる年は以下の回数だけある。
- 2001年–2025年:6回
- 2026年–2050年:6回
- 2051年–2075年:6回
- 2076年–2100年:7回
となると、2076年–2100年だけ1回閏年が多く、その分だけ日数が1日多くなるように思える。
しかし、「西暦が100の倍数の年は、4の倍数であっても閏年にはならない」というルールもある。2100年はこの条件に当てはまる。よって、2100年は閏年ではない。つまり、21世紀全体で閏年は24回あり、以下のように25年ずつ区切れば、どこも6回ずつとなる。
- 2001年–2025年:6回
- 2026年–2050年:6回
- 2051年–2075年:6回
- 2076年–2100年:6回
よって、21世紀(2001年1月1日–2100年12月31日)は、総日数が36,524日 ((平年が76回、閏年が24回なので、365日 × 76 + 366日 × 24 = 36,524日となる。)) となり、4等分すると9,131日ずつとなる。
具体的には次のように、年の途中で切れることなく、年末年始で区切られる。
- 2001年1月1日–2025年12月31日(9,131日)
- 2026年1月1日–2050年12月31日(9,131日)
- 2051年1月1日–2075年12月31日(9,131日)
- 2076年1月1日–2100年12月31日(9,131日)
要するに、直感的に25年ずつに区切ったとおりに、4分の1ずつになるというわけだ。
20世紀の場合
20世紀(1901年–2000年)ではこうはうまくいかない。なぜなら「西暦が400の倍数の年は、100の倍数であっても閏年にはなる」というさらなるルールがあるためだ。
20世紀の最後の年の2000年は、400の倍数であるため閏年となる。つまり、20世紀全体で閏年は25回あり、以下のように25年ずつ区切れば、6回のところと7回のところが出てくる
- 1901年–1925年:6回
- 1926年–1950年:6回
- 1951年–1975年:6回
- 1976年–2000年:7回
このうち、1976–2000年だけ9,132日となる。他の25年は9,131日だ。
20世紀全体の日数が36,525日であることを踏まえ、20世紀を正確に4等分すると、次のようになる。
- 1901年1月1日0時–1926年1月1日6時(9,131.25日)
- 1926年1月1日6時–1951年1月1日12時(9,131.25日)
- 1951年1月1日12時–1976年1月1日18時(9,131.25日)
- 1976年1月1日18時–2000年12月31日24時(9,131.25日)
閏秒まで考えて4等分する
だがこれで良いのだろうか? 実は1年の長さが年によって違うのと同様に、1日の長さも日によって違いうる。一般に1日 = 86,400秒だ。しかし、閏秒というものがある。これは、地球の自転の不規則さを補正するため不定期に1秒を挿入(または除去)するものだ。挿入されると1日が86,401秒になる。なお、過去に1秒が除去されたことはなく、挿入されたことがあるだけである。
閏秒は1972年から導入され、それから20世紀が終わるまでに22回閏秒が挿入された ((The Time Realization and Distribution group (2025) の閏秒のリストによる。)) 。このことも踏まえて20世紀を4等分すると、9,131.25日と5.5秒ずつになる。要するに、以下のように等分できる。
- 1901年1月1日0時0分0秒–1926年1月1日6時0分5秒5(9,131.25日と5.5秒)
- 1926年1月1日6時0分5秒5–1951年1月1日12時0分11秒(9,131.25日と5.5秒)
- 1951年1月1日12時0分11秒–1976年1月1日18時0分11秒5(9,131.25日と5.5秒、この間に5回の閏秒挿入あり)
- 1976年1月1日18時0分11秒5–2000年12月31日24時(9,131.25日と5.5秒、この間に17回の閏秒挿入あり)
21世紀の場合
21世紀については、2026年1月1日までに5回閏秒が挿入された。今後の回数や位置は未定である。そのため、閏秒を踏まえて21世紀を厳密に4等分することは現時点では不可能だ。
標準時の変更の影響を考えて4等分する
閏秒の話はいったん無視しよう。ただその場合も、標準時の変更により、世紀の長さが変わることがある。
八重山列島・宮古列島の事例
日本の八重山列島・宮古列島の標準時は、かつては日本の大部分と異なっていた。八重山列島・宮古列島では、1937年9月30日まで西部標準時 (UTC+8) が用いられていた。これは、日本の大部分で用いられている中央標準時 (UTC+9) より1時間遅いものだった。
しかし、1937年10月1日以降、八重山列島・宮古列島の標準時は中央標準時に統一されることになった。この変更により、1時間だけ時間が飛ばされたことになる。
以上のことを踏まえると、この地域における20世紀は、以下の範囲となる。
- 開始:1901年1月1日0時 (UTC+8) ((中央標準時のUTC+9で考えると、1901年1月1日1時に相当。))
- 終了:2000年12月31日24時 (UTC+9)
つまり、標準時が変わらなかった地域に比べると、1時間短いことになる。この条件のもとで20世紀を4等分すると、次のようになる。
- 1901年1月1日0時–1926年1月1日5時45分(9,131日5時間45分)
- 1926年1月1日5時45分–1951年1月1日12時30分(9,131日5時間45分、この期間の途中で標準時変更)
- 1951年1月1日12時30分–1976年1月1日18時15分(9,131日5時間45分)
- 1976年1月1日18時15分–2000年12月31日24時(9,131日5時間45分)
21世紀の場合
21世紀に入ってからも、世界各地で標準時の変更は起きている。例えば、サモアでは、2011年12月末にUTC−11:00からUTC+13:00に標準時を変更した(二宮書店, 2011)。つまり、標準時をまるまる24時間ずらしたことになる。2011年12月29日(木)が終わった後に、12月30日(金)をまるまる飛ばして、12月31日(土)としたとのことだ (The Guardian, 2011)。これにより、2001年1月1日から2025年12月31日までの25年間が9,130日と、他の国より1日短くなった。こうなると、最初に示した21世紀の4等分はサモアでは成り立たなくなる。
もっとも、今後さらに標準時の変更が行われる可能性もある。それゆえに、21世紀が終わるまで、実時間でどう分割できるかは確定しえない。
参考文献
- 国立公文書館. (2017).「日本にあった時差のお話」『国立公文書館ニュース Vol. 10』 https://www.archives.go.jp/naj_news/10/anohi.html
- 二宮書店. (2011年12月29日). 「サモアとトケラウ諸島が日付変更線を変更」『二宮書店』 https://www.ninomiyashoten.co.jp/atlas_news/20111229datelin
- The Guardian. (2011, December 30). Samoa loses a day and jumps forward in time. The Guardian. https://www.theguardian.com/world/2011/dec/30/samoa-loses-day-date-line
- The Time Realization and Distribution group. (2025, December 30). Leap second and UT1-UTC Information. NIST. https://www.nist.gov/pml/time-and-frequency-division/time-realization/leap-seconds