ゲームセンターのゲーム機に紙幣が入れられない理由

概要
日本では、風営法の施行規則においてゲームセンターで紙幣の入れられる遊戯設備が禁止されているため、ゲームセンターのゲーム機には紙幣が入れられない。

風営法の施行規則における規制

日本では、ゲームセンターでは、基本的にゲーム機に硬貨を投入して遊ぶ [1] 。このため、たくさん遊びたかったら、硬貨をたくさん投じなければならない。実際、クレーンゲームで目当ての景品をどうしても取りたいとか、格闘ゲームをずっと遊んでいたいとかいう人が、硬貨を積み上げているようなシーンも少なくはない。

こうした人にとっては、硬貨をたくさん投入するよりも、紙幣を投入できた方がずっと便利なように思える。しかし、ゲームセンターのゲーム機には紙幣を投入する場所がない。なぜ、ゲームセンターのゲーム機には紙幣が入れられないのだろうか。

ゲームセンターのゲーム機。(<a href="http://pixabay.com/en/arcade-machine-grab-kids-skill-82995/">Pixabay</a>より、<a href="http://pixabay.com/en/users/PublicDomainPictures/">PublicDomainPictures氏</a>によるパブリックドメイン画像を使用)
ゲームセンターのゲーム機。(Pixabayより、PublicDomainPictures氏によるパブリックドメイン画像を使用)

実は、紙幣が入れられないのは国の規制によるものである。日本では、ゲームセンターの経営は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(昭和23年7月10日法律第122号、通称「風営法」)という法律の規制を受ける。ゲームセンターは風営法第2条第1項第8号 [2] で規定されており、俗に「八号営業」と呼ばれる。

さらに、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則」(昭和60年1月11日国家公安委員会規則第1号)という規則で、風営法には書かれていない詳細な規定が定められている。同規則第8条の表において「法第二条第一項第八号に掲げる営業」(=ゲームセンターなど)では「遊技料金として紙幣を挿入することができる装置を有する遊技設備又は客に現金若しくは有価証券を提供するための装置を有する遊技設備を設けないこと」と書かれている。つまり、この風営法の施行規則によって、紙幣を入れられるゲーム機の存在は許されていないのである。これは私の考えだが、八号営業はあまり射倖性をあおってはいけないものだから、無駄に金をつぎ込むことになるであろう紙幣の投入は許されていないのだと思われる。

パチスロとの違い

なお、パチスロで紙幣が入れられるものがあるが、これは先に述べた風営法の施行規則とは関係がない。なぜなら、パチスロは風営法第2条第1項第7号で規定される「七号営業」であり、ゲームセンターの「八号営業」とは別種の規制を受けるからである。

ゲームセンターの子供用メダルゲーム機

ゲームセンターの子供用メダルゲーム機については、紙幣だけでなく五百円硬貨も入れられないように業界団体の自主規制がある。一般社団法人日本アミューズメントマシン協会の「健全化を阻害する機械基準」では、子供用メダルゲーム機で「紙幣及び500円硬貨等を挿入できる構造のもの」は健全化を阻害する機械であるとされている。

脚注
  1. なお、Suicaなどの電子マネーで支払いができるゲーム機も存在する。例えば、タイトーステーション新宿東口店では2014年9月末までの期間限定で、Suica, Pasmo, nanaco, Edy, Waon でゲームを遊ぶことができる。詳しくは株式会社タイトーのウェブサイトの「電子マネーに対応しました!(期間限定)」という記事を参照。 []
  2. 同法第2条第1項第8号には「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。) 」と書かれている。 []