民進党の代表が中国共産党中央対外連絡部の部長に会ったところで、スパイになるわけはない

概要
民進党の代表が2017年8月に中国共産党中央対外連絡部の部長と会った件に関して、民進党の代表がスパイだと言う人がいるが、まったくの牽強附会である。

会見すれば即スパイ?

2017年8月7日、民進党の蓮舫代表(当時)が中国共産党中央対外連絡部の宋濤部長と会見したそうだ [1]

この会見に関して、蓮舫代表が中国共産党のスパイである証左だと言い出している人たちがいる。例えば、あえて直接のリンクは貼らないが、『保守速報』の「【民進党HP】蓮舫代表、宋濤・中国共産党中央対外連絡部長と会談」 [2] や 『Share News Japan』の「蓮舫代表、宋濤・中国共産党中央対外連絡部長と会談 → ネットの反応『しっくりくるな』『身分を隠すのはやめたの?』」 [3] といった極右系サイトに、蓮舫代表中共スパイ論が載っている。

スパイ説の問題点

こう考えることは明らかに理にかなっていない。本当にスパイであるとしたら、常識的に考えて、こんな堂々と会うはずがない。スパイであることを隠してこっそり会うはずだ。

それに、宋濤部長はこの2017年8月初めの訪日で、安倍晋三総理大臣にも会っているし [4] [5] 、自民党の二階俊博幹事長にも会っている [6] 。もし民進党の蓮舫代表が中国共産党中央対外連絡部の部長と会ったことが、蓮舫代表が中国共産党のスパイであることの証拠になると言うのなら、安倍総理や二階幹事長も中国共産党のスパイであってもおかしくないということになる。こう言うと、蓮舫代表がスパイだと主張している人たちは、蓮舫代表の出自をあげつらって、蓮舫代表と安倍総理などとは違うのだと言い出すかもしれない。ただ、蓮舫代表の言行を見る限り、「中国のスパイ」たりえないという指摘もなされている [7]

結局の所、中国共産党中央対外連絡部の部長と会うからスパイだというのは牽強附会に過ぎない

脚注
  1. 民進党国際局.(2017年8月7日).「蓮舫代表、宋濤・中国共産党中央対外連絡部長と会談」 https://www.minshin.or.jp/article/112427 []
  2. http://hosyusokuhou.jp/archives/48798490.html []
  3. https://snjpn.net/archives/27701 []
  4. 時事ドットコム .(2017年8月8日).「安倍首相『日中関係温かく』=中国共産党幹部に」 https://www.jiji.com/jc/article?k=2017080800853&g=pol []
  5. 首相官邸.(2017年8月8日).「宋濤中国共産党対外連絡部部長等による表敬」 http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/actions/201708/08hyokei.html []
  6. 産経ニュース.(2017年8月10日).「周恩来記念碑前で友好確認 自民・二階俊博幹事長、中国共産党幹部と」 http://www.sankei.com/politics/news/170810/plt1708100024-n1.html []
  7. 安田 峰俊.(2017年7月27日).「ついに代表辞任! 蓮舫が絶対に「中国のスパイ」になれない3つの理由」 『文春オンライン』http://bunshun.jp/articles/-/3519 []