巫女は「日本標準職業分類」で「宗教家」とされない

概要
「日本標準職業分類」では、神職は「宗教家」とされるが、巫女は「宗教家」でなく「他に分類されないサービス職業従事者」とされる。

巫女は「宗教家」とされない

松尾大社で祈祷を行う巫女
松尾大社で祈祷を行う巫女(Flickerより、MIXTRIBE氏によるCC BY 2.0画像を使用)

日本標準職業分類」とは、日本の公的な統計において、職業別に表示する場合の統計基準である。現行の平成21年(2009年)12月の基準においては、職業を12の大分類に分けている。大分類は中分類に分かれ、中分類はさらに小分類に分かれる。中分類は合計で74種類、小分類は合計で329種類である。

さて、神社などの巫女は「日本標準職業分類」でどの小分類に当たるのかというと、「429 他に分類されないサービス職業従事者」 [1] になる。「宗教家」ではないのだ。「429 他に分類されないサービス職業従事者」という小分類は、「42 その他のサービス職業従事者」 [2] という中分類に属し、さらに「E サービス職業従事者」という大分類に属する。ちなみに「他に分類されないサービス職業従事者」に属する職業としては、他に、占い師、靴磨き、エレベーター係、コインロッカー管理人がある。

宮司や禰宜などの神職は「201 宗教家」という小分類に属する。この小分類は「20 宗教家」という中分類に属する。さらに、この中分類は「B 専門的・技術的職業従事者」という大分類に属する。よって、神職と巫女とでは職業分類上の位置が全く違うのである。

「日本標準職業分類」は昭和35年(1960年)3月に最初のものが出たのだが、その時から神主と巫女は別々の職業分類となっている。すなわち、昭和35年版の基準では、巫女は「その他の対個人サービス職業従事者」、神職は「宗教家」という小分類に当てられているのである。

脚注
  1. 429という数字は「日本標準職業分類」上の番号である。 []
  2. 「42 その他のサービス職業従事者」という中分類に属する他の小分類としては「421 旅行・観光案内人」や「425 葬儀師,火葬作業員」がある。 []