うどん県、ウドン村、ウドン県、ウドン王国

概要
世界各地の「ウドン」という地名について。

はじめに

食べ物のうどん
食べ物のうどん

香川県が「うどん県」というキャンペーンを実施している。キャンペーンの開始当初は、香川県という名を捨てて、「うどん県」に改名したとまで言っていた。なかば冗談のようなキャンペーンとは言え、特色のある食べ物を地名に使用するというのはなかなかぶっとんだ発想である。

だが、世界には香川県のうどん県への改名の前から、「ウドン」と名乗っている地名がある。食べ物のうどんとは全然関係ないのだが、今日は世界の「ウドン」地名を紹介したい。

ウドン村(フランス)

フランスには、ウドン村というコミューン [1] がある。つづりは“Oudon”だ。「オウドン」と読んでしまいたくなるが、フランス語だと“ou”は「ウ」と発音するので、これで「ウドン」になる。

ウドン村(Flickerより、couscouschocolat氏によるCC BY 2.0画像を使用)
ウドン村(Flickerより、couscouschocolat氏によるCC BY 2.0画像を使用)

ウドン村はフランスの西部にあり、ロワール=アトランティック県に属する。同県の中心都市であるナントから北東に25kmほど進んだところに、このウドン村がある。ウドン村には、ウドン川という河川が流れている。これはロワール川の支流だ。

なお、「私はウドン人です」はフランス語では次のように言う。まず、男性なら“Je suis oudonnais.”(ジュ・シュイ・ウドネ)となる。女性なら“Je suis oudonnaise.” (ジュ・シュイ・ウドネーズ)でOKだ。

ウドン県(タイ)

タイの北東部にはウドン・ターニー(Udon Thani)という県がある。略してウドン県と呼ばれることが多いそうだ。なお、“Udorn”とつづられることもある。ラオスとの国境の近くで、タイの首都のバンコクよりもラオスの首都のビエンチャンの方が近い。世界遺産の「バーンチエン遺跡」もこの県にある。

ウドン王国(カンボジア)

カンボジアにウドン(Udong [2] )という街がある。カンボジアの首都のプノンペンから北西に35kmほど進んだ位置にある。

ウドン(Wikimedia Commonsより、Stefan Fussan氏によるCC BY-SA3.0画像を使用)
ウドン。写真に写っている丘(プノン・ウドン)がかつてのカンボジアの中心だった。(Wikimedia Commonsより、Stefan Fussan氏によるCC BY-SA3.0画像を使用)

この街はカンボジアの古都である。この地に都が置かれたのは1618年のことである。それ以降、1866年にプノンペンに遷都するまでこの街がカンボジアの首都であった。このため、この時期のカンボジアのことを首都の名前からウドン王国と呼ぶことがある。

脚注
  1. コミューンというのはフランスの基礎自治体のことで、日本で言えば市町村に相当する。ただ、日本の市町村に比べるとかなり規模が小さい。 []
  2. OudongやOdongとつづることもあるようだ。 []